小児科

　当科は滝川市内で唯一の入院施設を有する小児科として、常勤２名と嘱託医２名の小児科学会専門医が診療に当たっています。一般の小児科診療に加え、特殊外来として専門分野の医師による小児神経・脳波外来（北海道千歳リハビリテーション大学より月１回）を設け、より高度な専門医療を提供しています。

　ワクチンに関しては、小児期に接種される全てのワクチンを受けることができます。会場は病気の子どもと一緒にならないように小児科外来ではなく、別の場所で診察および接種を行っています。ワクチン接種は通常の月で4～5回/月、インフルエンザワクチンの時期は14～17回/月です。

　小児科の疾患は感染症が多いため、他の患者様からなるべく感染しないように配慮しています。小児科外来には2つの隔離診察室と隔離待合室および複数の出入り口を設けています。隔離診察室は病原体が外に拡散しないように陰圧（空気が外に漏れない）の構造で設計されています。  

　当科では小児期（新生児から中学生ごろまで）に発症するさまざまな内科的疾患を、プライマリーケアとして幅広く診療しています。そのうちの代表的な一部の疾患を以下にご紹介します。

感染症
　子どもは “かぜ”に代表されるさまざまな感染症にかかります。これらは感染を起こす病原微生物の種類によって、ウイルス感染、細菌感染、真菌感染、寄生虫感染などに分けられます。また感染を起こす体の部位により、呼吸器感染、消化器感染、尿路感染、中枢神経感染などにも分類できます。外来で最も頻度の高いのはウイルスによる呼吸器感染（かぜ、インフルエンザ、RSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどによる上気道炎、気管支炎など）と消化器感染（ノロウイルスやロタウイルスなどによる胃腸炎）です。細菌感染ではのどの溶連菌感染症が有名です。当科では迅速診断キット、細菌培養検査、多項目PCR検査などにより、正確な病原微生物診断と適切な治療を心がけています。

アレルギー性疾患
　子どものアレルギー性疾患では、乳幼児期にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーが始まり、その後気管支喘息を発症する場合があります。これらの疾患の正確な診断にはまず情報収集（問診）が大切で、診察や検査で診断を確定します。続いて、例えばアトピー性皮膚炎では、保湿剤を中心としたスキンケアをしっかりと行い、ステロイド外用剤などで適切に治療します。また抗アレルギー剤を使用し、症状が悪化しないように普段から病気のコントロールを行っていただきます。

けいれん性疾患
　子どものけいれん性疾患の中で最も多いのが熱性けいれんです。高熱を出した時に、突然全身が硬くなりがくがくと震わせ、呼びかけにも反応しなくなると誰しもびっくりします。しかしあわてず落ち着いてすぐに当院を受診して下さい。けいれんが止まらない時には薬剤を使用してけいれんを抑えます。また無熱性けいれんの場合には、改めて脳波検査などで精査します。てんかんの診断のついた方は当科神経専門外来（舘医師）でフォローします。

心身症
　主に小学生高学年から中学生のお子さんが、朝起きられない、午前中調子が悪い、なんとなく腹痛や頭痛が続くなどで当科を受診されます。このような症状のお子さんは心身症が疑われます。当科では日本小児科医会認定の「こどもの心」相談医（永井医師）が時間をかけて対応に当たります。

その他
　小児科は子どもの全身を診る「子どもの総合診療科」です。お子さんの健康上の問題で気になることがありましたら、お気軽に受診して下さい。