臨床検査科
臨床検査は『検体検査』と『生理機能検査』の2つに大別することができます。
検体検査は、患者様から採取された血液・尿・便・喀痰・組織などを用いて、これらに含まれる成分の分析や異常細胞の有無、病原菌の検索などを行うものです。生理機能検査は、心電図・肺活量・脳波・聴力検査など患者様と直接接して生体機能の情報を得るために行う検査です。
当検査科では患者様一人一人の病気の診断、治療、経過観察に役立つ臨床検査を提供できるよう、スタッフ一丸となり日々努力しています。
スタッフ構成
臨床検査技師 |
16名(男性6名、女性10名) |
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助手 |
1名 |
各種認定資格(2024年7月現在)
認定臨床微生物検査技師 |
1名 |
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感染制御認定臨床微生物検査技師 |
1名 |
認定輸血検査技師 |
1名 |
国際細胞検査士 |
1名 |
細胞検査士 |
2名 |
各部門の紹介
生化学・血清検査
生化学では、主に血液中の酵素や電解質、血糖などの様々な物質を測定します。GOT、GPT、γ-GTPなどの肝機能検査やコレステロール値などの脂質検査、炎症反応など、院内で行っている検査だけでも50項目以上に上ります。
血液検査
血液中の細胞成分(赤血球・白血球・血小板)等の量や種類を調べたり、赤血球中のヘモグロビンの量を測定して、貧血や炎症の有無、白血病など血液に関わる病気に対する検査をしています。
また、血液には身体の外に出ると固まる作用がありますが、これが正常に行われているか、逆に身体の中では固まらずにいられるのかといった凝固機能の検査を行っています。
XN-3100
STACIA CN10
輸血検査
安全な輸血を行うために事前に検査(血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験など)を行い、患者様に合った血液製剤を迅速かつ安全に供給するよう努めています。
ORTHO VISION
一般検査
尿検査では、尿試験紙を使用して尿中の蛋白や糖、潜血、白血球などを測定する定性検査、フローサイトメトリー法を原理とする分析装置、顕微鏡を使用して尿に排出された細胞や結晶などの尿沈渣(尿中有形成分)を検査します。
便の検査では、大腸癌やポリープなどで見られる下部消化管の出血を調べる潜血検査や腸管への寄生虫の感染を調べるために虫卵の有無を検査しています。
体腔液は炎症、循環障害及び腫瘍などの存在が疑われる場合に増量します。この体腔液の原因を調べるために比重、蛋白、糖、生化学検査項目などを調べます。
関節液検査では、偏光顕微鏡で結晶種類を見ることで痛風や偽痛風などによる関節炎の原因を調べます。
US-3500+UF5000
OC-SENSOR io
細菌検査
細菌検査では、いろいろな感染症(食中毒・肺炎・髄膜炎など)の発症又は疑いのある患者様の検体(喀痰、尿、便、血液、膿、髄液など)から起炎菌(原因菌)を検出し、菌名の同定(菌の種類を調べる)や薬剤感受性試験(どの薬が効くか)を行います。
細菌検査の流れ
②検体を培地(栄養分を持った寒天)に塗抹し、培養を行います。通常37℃で18~24時間培養し、病原菌と思われるコロニー(菌の集落)を選びます。
③そのコロニーを用いて、菌名の同定・薬剤感受性試験を行います。当院では菌名の同定には質量分析を用いて迅速に結果が得られます。薬剤感受性結果が出るまでに2~4日、菌によっては、1週間以上かかる場合もあります。
迅速検査
迅速検査の項目
・インフルエンザウイルス ・ヒトメタニューモウイルス
・アデノウイルス ・マイコプラズマ
・RSウイルス ・ロタウイルス
・A群溶連菌 ・ノロウイルス
・クロストリジウム抗原、毒素 ・尿中肺炎球菌抗原
・尿中レジネオラ抗原
感染症遺伝子検査
病理検査
手術または内視鏡検査などで採取された臓器や組織(食道、胃、大腸など)から標本を作製し、染色を施した後に病理医が顕微鏡を用いてがんや炎症などの有無を診断します。
どのような病気でどの程度進行しているか、がんであれば状態の悪さや転移の有無など病理診断は最終診断として重要な役割を担っています。
病理検査の中には、術中迅速組織検査や病理解剖も含まれます。
細胞診検査
婦人科(子宮頸部・子宮体部)、呼吸器(喀痰)、泌尿器(尿)、乳腺、甲状腺などの病変部から擦過または剥離した細胞を採取し、腫瘍性病変の有無、組織型の推定、治療後の再発の監視などを行い診断や経過観察に利用される検査です。
採取された検体を染色してから、細胞検査士が顕微鏡下で観察し、異常細胞を拾いあげます。
最終的な細胞診断は病理医や細胞診専門医が行います。
生理検査
●12誘導心電図 … 心臓の動きを調べる検査です。ベッドに横になり、手首・足首・胸に電極を付けて検査を行います。
●負荷心電図 … 簡易的に作った階段を上り下りしたり、ベルトコンベア−の様な機械(トレッドミル)の上を歩いたりして心臓に負荷をかけた状態で記録する心電図です。
●24時間心電図 … 小さな心電図の機械を着けて、日常生活・眠っている間の心電図を記録します。ホルター心電図ともいいます。
鼻から空気が漏れないように鼻をクリップでつまんで検査します。臨床検査技師の掛け声に合わせて口だけで呼吸し、肺活量や肺の機能を調べます。
両手・両足首の血圧を同時に測定し、比率を見ることで末梢動脈疾患(PAD)の診断や予後予測をします。
下肢の毛細血管の血流を評価する検査です。皮膚灌流圧検査ともいいます。
リード線のついた小さな電極を頭に装着して、脳の電気的活動を調べます。ベッドに横になり目を閉じていただき、時には眠っていただくこともあります。検査時間は1時間ほどかかります。
手や足の神経に微弱な電気刺激をあたえ、その刺激が伝わる早さと反応の大きさを調べます。
●純音聴力検査 … 防音室の中で7種類の音を使い、聴力を測定します。
●語音聴力検査 … 言葉の聞き取りの検査です。補聴器を合わせる時に行います。
●ティンパノメトリー … 鼓膜に圧をかけて、鼓膜の動きや中耳の状態を調べます。